電動マシンローラーの選び方|運ぶ重量から10t・20t・30tタイプを選定する方法
電動マシンローラー(チルローラー・重量物運搬台車・運搬用コロ)を検討する際、「5tの設備を運びたいので5tタイプを探している」というご相談をいただくことがあります。
弊社の電動マシンローラーの型番に付く10T・20T・30Tは牽引力(搬送できる設備の総重量)を表しており、本体の天板が受けられる重量(安全積載量)とは数値が異なります。
この記事では牽引力と安全積載量の違いを整理したうえで、3点支持での荷重の分かれ方をふまえて、運搬したい設備から適したタイプを選ぶ方法を解説します。
牽引力と安全積載量の違い
電動マシンローラーの仕様には「牽引力」と「安全積載量」という2つの重量が記載されています。
牽引力は型番の数値(10T・20T)にあたる能力値で、平坦な床面で転がり抵抗に逆らって前進させられる設備の最大総重量を表します。
モーターが10tや20tの力で引っ張るという意味ではないため、勾配や段差がある場所では同じ重量でも走行できない場合があります。
一方の安全積載量は、駆動台車(本体)の天板1台が受けられる荷重の上限です。
電動マシンローラーは本体1台と補助台車2台の3点で設備を支えるため、本体にかかるのは設備の総重量の一部です。選定時は「総重量が牽引力以下」と「本体にかかる荷重が安全積載量以下」の両方を満たしているかを確認します。
| タイプ | 牽引力(搬送できる総重量) | 安全積載量(本体天板) | 販売価格(税込) |
|---|---|---|---|
| 10Tタイプ | 10t | 4t | 979,000円 |
| 20Tタイプ | 20t | 10t | 1,100,000円 |
| 30Tタイプ | 30t | お問い合わせください | お問い合わせください |
たとえば10Tタイプは総重量10tまでの設備を搬送できますが、本体の天板が受けられるのは4tまでです。
型番の数値だけで選ぶと、重心の位置によっては本体に荷重が集中して安全積載量を超えてしまうため、総重量と本体にかかる荷重の両方を確認してください。
設備の重量から選ぶタイプの目安
本体にかかる荷重の目安
重心が3点の中央付近にある設備では、本体にかかる荷重は総重量の約3分の1、重心が本体側に寄るほど割合が大きくなり、2分の1以上になることもあります。
重心が偏っていない5tの工作機械であれば、本体にかかる荷重は約1.7〜2.5tとなり、10Tタイプの安全積載量4t以内に収まります。
総重量10t以下・本体への荷重4t以下なら10Tタイプ
設備の総重量が10t以下で、かつ本体にかかる荷重が4t以下に収まる場合は10Tタイプで対応できます。冒頭の「5tの設備」も、重心が大きく偏っていなければ10Tタイプが候補になります。
本体寸法は590×550×140mm、製品重量は90kgと3タイプの中で最も小さく、狭い隙間への差し込みや現場への持ち込みがしやすいタイプです。
総重量10t超、または本体への荷重が4tを超える場合は20Tタイプ
総重量が10tを超える場合や、重心が本体側に寄っていて本体にかかる荷重が4tを超える場合は、牽引力20t・安全積載量10tの20Tタイプを選定してください。
総重量8tの設備のように、重心の位置次第で本体の荷重が4t前後になるケースや、始動時の負荷・床面の傾きを見込んで余裕を持たせたい場合も20Tタイプを選んでおくと安心です。
20Tタイプは補助輪も3輪×2個に増えるため、大型設備の移設を想定している場合の標準的な選択肢です。
総重量20tを超える設備は30Tタイプをご相談ください
総重量20tを超える大型設備の運搬には30Tタイプをご用意しています。
30Tタイプの安全積載量や詳細な仕様は、運搬物の条件をお伺いしたうえで個別にご案内します。

重量以外に確認したいポイント
付属物を含めた総重量
設備のカタログ重量に加えて架台やカバー、残っている治具や油類なども含めた総重量で判断してください。
フォークリフトや重機を運ぶ場合は、車体の自重を銘板やカタログで確認しておくと選定がスムーズです。
重心の位置
電動マシンローラーは駆動台車(本体)1台と後方の補助台車2台による3点支持で荷重を支えるため、重心が偏っている設備では特定の台車に荷重が集中します。
重心が本体側に寄る設備では、本体にかかる荷重が安全積載量を超えないよう差し込み位置を調整するか、安全積載量に余裕のあるタイプを選んでください。
差し込める隙間の高さ
本体の高さは10Tタイプが140mm、20Tタイプが160mmです。
ジャッキで設備を浮かせたときに、本体を差し込めるだけの高さが確保できるかを事前に確認してください。
走行経路の床面
走行速度は6〜10m/分で、平滑なコンクリート床での短距離搬送に適しています。
牽引力は平坦な床面を前提とした数値のため、段差や溝、勾配のある経路を通る場合は、どのタイプを選ぶかにかかわらず事前にご相談ください。
10Tタイプと20Tタイプの仕様比較
選定に関わる主な仕様を2タイプで比較すると下記のとおりです。
| 項目 | 10Tタイプ | 20Tタイプ |
|---|---|---|
| 牽引力(搬送できる総重量) | 10t | 20t |
| 安全積載量(本体天板) | 4t | 10t |
| 製品サイズ | 590×550×140mm | 810×600×160mm |
| 製品重量 | 90kg | 130kg |
| バッテリー容量 | 40Ah | 60Ah |
| 定格出力 | 600W×2 | 750W×2 |
| 補助輪 | 2輪×2個 | 3輪×2個 |
| 走行速度 | 6〜10m/分 | 6〜10m/分 |
| 販売価格(税込) | 979,000円 | 1,100,000円 |
20Tタイプは本体が一回り大きく重くなるため、総重量10t以下かつ本体への荷重4t以下に収まるのであれば、取り回しの面では10Tタイプが有利です。
価格や特徴、全スペックは電動マシンローラーの価格と仕様の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
電動マシンローラーの型番にある10T・20T・30Tは牽引力(搬送できる総重量)で、本体の天板が受けられる安全積載量とは別の数値です。
総重量10t以下で本体への荷重が4t以下なら10Tタイプ、総重量10t超または本体への荷重が4tを超えるなら20Tタイプ、総重量20tを超える場合は30Tタイプが目安です。
重量に加えて重心の位置や差し込める隙間の高さ、走行経路の床面も確認しておくと、現場に合ったタイプを選べます。
運搬したい設備の重量や寸法、重心の位置をお知らせいただければ、適したタイプをご提案いたします。
製品の詳細や導入のご相談は、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。