フォークリフトのウレタンタイヤとは?ゴムタイヤとの違い・向き不向きを解説
リーチ式フォークリフトや低床式の荷役機器で見かける、硬くて薄い色の車輪。
これがウレタンタイヤと呼ばれるもので、ゴムタイヤとは材質も適した現場も異なるため、本記事では特徴と向き不向きを整理して解説します。
ウレタンタイヤの構造と特徴
ウレタンタイヤは、金属製のコア(芯金)の外周にウレタン樹脂を成形して一体化させた構造です。
ゴムのような弾力ではなく、硬質プラスチックに近い硬さで荷重を受け止めます。
この硬さによって接地面のたわみが小さくなり、転がり抵抗が抑えられます。
同じ寸法のゴムタイヤより高い荷重を支えられるため、車輪を小径化して車体を低く設計できる利点も。
リーチ式フォークリフトや電動パレットトラックで広く採用されているのは、こうした特性が屋内の荷役作業に合っているためです。
ゴムタイヤ(クッション・ノーパンク)との違い
ウレタンとゴムの主な違いは、次のように整理できます。
| 比較項目 | ウレタンタイヤ | ゴムタイヤ |
|---|---|---|
| 硬さ | 硬い | 柔らかい |
| 耐荷重 | 同寸法では高い | 同寸法では低い |
| 転がり抵抗 | 小さい | 大きい |
| 衝撃吸収 | ほとんどない | ある程度吸収 |
| 耐摩耗性 | 平滑な床面では高い | 荒れた路面でも安定 |
| グリップ | 低め | 高め |
転がり抵抗が小さいということは、同じバッテリー容量でも走行に使うエネルギーが少なくて済むということです。
一方で衝撃を吸収する層がないため、段差を越えたときの振動はそのまま車体とオペレーターに伝わります。
この2点が、ウレタンタイヤの向き不向きを分ける要因になっています。

ウレタンタイヤが向く現場・向かない現場
向いている現場
コンクリートやエポキシ塗装など、平滑に仕上げられた屋内の床面が前提です。
- 屋内の物流倉庫・配送センター
- 通路幅が限られ、小回りを求められる現場
- 短距離の往復が中心となる荷役作業
- バッテリー式の車両で稼働時間をできるだけ伸ばしたい現場
向かない現場
逆に、次のような条件では寿命が想定より短くなります。
- 屋外のアスファルトや砂利敷きの路面
- ドックレベラーや溝など、段差の多い動線
- 広い敷地を長距離・連続して走行する運用
- 水や油が床に残りやすい環境
特に注意したいのが、長距離の連続走行による発熱です。
ウレタンは内部に熱がこもりやすく、温度が上がると軟化して摩耗が急激に進みます。
走行距離が長い現場では、ゴムタイヤを含めて選択肢を検討したほうが結果的にコストを抑えられる場合もあります。
ウレタン特有の劣化症状
ウレタンタイヤは、表面が均一にすり減っていくとは限りません。
むしろ、摩耗限度に達する前に別の症状で使えなくなるケースが多く見られます。
剥離(はくり)
金属コアとウレタン層の接着が剥がれ、走行中に層ごとずれてしまう症状です。
過積載や急発進の繰り返し、発熱の蓄積が引き金になります。
側面から見てコアとウレタンの境目に隙間や段差がないか、点検時に確認してください。
チッピング(欠け)
床の異物や段差との衝突で、外周の角が欠ける症状。
硬い材質のため、ゴムのように変形して逃がすことができず、欠けとして現れます。
小さな欠けでも、そこを起点に亀裂が広がっていくため早めの判断が必要です。
偏摩耗・フラットスポット
同じ方向への旋回が多い動線では、片側だけが削れる偏摩耗が起こります。
また、荷を積んだまま長期間停車させると、接地部分が平らに変形するフラットスポットが残る場合も。
走行中に一定周期の振動や打音が出るようになったら、この症状を疑ってください。
摩耗量そのものの判断基準については、フォークリフトタイヤの交換時期はいつ?寿命を見極める5つの判断基準と長持ちのコツもあわせてご覧ください。
交換時に確認すべきポイント
ウレタンタイヤは外径・幅・内径(ハブ径)の3寸法で管理されます。
摩耗した状態の外径を測っても正しい値にはならないため、機体の型式・製造番号と併せて確認するのが確実です。
もうひとつ重要なのが取付方式で、圧入式は専用のプレス機が必要になり、ベアリング内蔵タイプでは併せて交換するかどうかの判断も入ります。
左右一対で使われている車輪は、片側だけ新品にすると外径差が生じるため、原則として同時交換してください。
リーチ式の車輪ごとの違いはリーチ式フォークリフトのタイヤは3種類|駆動輪・ロードホイールの役割と交換の見極め方で、サイズの読み取り方はフォークリフト用タイヤ注文前の確認ポイント|サイズと型式の見方を解説で詳しく解説しています。
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まとめ
ウレタンタイヤは、屋内の平滑な床面で短距離の荷役を繰り返す現場でこそ性能を発揮します。
逆に屋外走行や長距離の連続稼働では発熱と欠けが早く進むため、環境に合っているかどうかの見極めが寿命を左右します。
剥離やチッピングは摩耗量とは別の基準で判断する症状のため、日常点検では側面や外周の角まで目を通しておくと安心です。
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